新設部署は「出会い・結婚支援室」 婚活を自治体がサポート、背景に人口減少や出生率の低下 (23/05/24 17:53)
人口の減少や出生率の低下を背景に、男女の出会い「婚活」をサポートする自治体が増えています。各地で行われているユニークな取り組みと「賢い活用法」を取材しました。
バラが見ごろを迎えている三重県桑名市の「なばなの里」。
赤いバラの花コトバは“愛”、花々に囲まれた会場で市と企業によるトークイベントが行われました。
桑名市の伊藤徳宇市長がPRしているのは、恋愛や結婚を目的とした会員同士をオンラインで結ぶ「マッチングアプリ」です。
桑名市は、マッチングアプリ大手の「Pairs」と連携する協定を、全国で初めて結びました。
「協定を結んだ大きなきっかけは人口減少です。桑名市の人口が14万人を切り、大変な危機感を覚えているところです」(桑名市 伊藤徳宇 市長)
人口減少の桑名市 マッチングアプリ大手「Pairs」全国初の連携協定
2015年の14万3000人をピークに、人口が減り続けている桑名市。
出生数は、2019年以降、毎年1000人を下回っています。
こうした状況を受け、恋愛や婚活を支援することで、人口の減少に歯止めをかけたい考えです。
伊藤市長は、「市民にアンケートをとったらマッチングアプリという仕組みの認知度が高かった」と話します。
新型コロナの感染が拡大した2021年、全国の婚姻数は戦後最少を記録。
その一方で、未婚の人たちを対象にした調査では約8割の男女が、「いずれ結婚するつもり」と答えています。
桑名市とタッグを組んだ「Pairs」は累計登録者数が、2000万人を超えています。
「都会を中心にかなり多くのユーザーがいるサービスです。地方も例外なく普及させていきたいので、マッチングアプリを広げる一つの手として特定の地域と手を組ませていただきました」(「Pairs」の運営会社 エウレカ 山本竜馬 社長)
複数枚の写真を載せることで、お互いの信頼感に
桑名市は25日から3日間、アプリの使い方などを紹介する、セミナーや相談会を開きます。
『Pairsコンシェルジュ』にマッチングアプリの上手な使い方を聞いてみました。
「プロフィールの趣味は具体的に自分がどういうキッカケで趣味を始めたのか、どういうところが楽しく、結婚後に相手とどういう風にしていきたいか、未来をイメージすることがポイントですね」(Pairsコンシェルジュ)
顔写真のほか、趣味の写真など、複数枚の写真を載せることで、自身のアピールや、お互いの信頼感につながります。
マッチングアプリでは気に入った相手と“いいね”など、前向きなアクションを通じてマッチングが成立すると、直接、メッセージの交換ができます。
最初のデートは、テラスがあるカフェなど人目があるオープンな場所がオススメだそうです。
小牧市は『出会い・結婚支援室』新設
愛知県小牧市も行政として婚活支援に乗り出し、2023年4月、新たに「出会い・結婚支援室」を作りました。
現在4人の職員が業務に当たっています。
「出会いや結婚についても、行政として支援をしていく必要があるんじゃないかということで今回作らせていただきました」(小牧市 山下史守朗 市長)
届けられた婚姻件数を見ても、小牧市は、2021年度に599件と、減少傾向が続いています。
「結婚というのは個人の問題で、行政がそこまで踏み込むのはいかがなものかというようなそういった風潮もあったと思うんですよね。行政として関わっていくというある意味宣言をし、部署を作りました」(小牧市 山下史守朗 市長)
行政だからこそできる支援策を進める
実際に「出会い・結婚支援室」では、どのような業務をしているのか取材すると、婚活のイベントを行う団体向けのチラシ作成をしていました。
ほかにも、新婚の引っ越し費用などを最大60万円補助する事業を2023年7月からスタートさせるなど、行政だからこそできる支援策を進めています。
さらに、もっと“出会い”を支援するイベントも企画中です。
「行政としても出会いの場など機会を提供するというところに力を入れていきたいと思ってます。本当に出来たてのほやほやの部署ですので、いろいろな皆さんからのアイデアをいただきながら支援をしていけたらいいなと思っています」(出会い・結婚支援室 小川喜世子 室長)
自治体で広がる「婚活支援」愛知・岐阜・三重でも動き
自治体で広がる「婚活支援」、東海地方の各県も力を入れています。
「出会いの場を作っていくということは相当意義があるのではと」(愛知県 大村秀章 知事 2日の会見)
愛知県は、県主催の婚活イベントの予算として2023年度に2100万円余りを計上。
秋には、長久手市の愛・地球博記念公園で400人規模の婚活イベントを実施予定です。
岐阜県でも1600万円近くの予算を投じて、お見合いイベントや異業種交流会を開き、出会いの場を提供します。
三重県では、新たに県民の縁談をまとめる「結婚応援サポーター」を養成するなど、合わせて約3000万円を計上しています。
(5月24日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
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